床ずれ(褥瘡)
ご自分で体位変換できない高齢の方の、お尻の骨の出っ張った部分(仙骨部、坐骨部)やかかとなどに良くできます。圧迫された部分がまずは赤くなり、その後きず(潰瘍)となります。潰瘍は深いものでは骨に達する場合もあり、また一見小さな潰瘍でも、周囲にポケット状に拡大して、全体は見た目より大きいこともあります。潰瘍の底は壊死した組織で覆われていることが多く、感染の温床になります。感染をおこすと敗血症にいたり、生命を脅かすことさえあります。治療はまず圧迫されている部位の除圧が最も重要になります。体位変換は中々難しいのですが、数時間毎にすることが推奨されています。きず自体の治療で重要なのは①きずの洗浄、②壊死組織の除去、③外用薬の選択です。①について、1日最低1回、温めのお湯できずを洗浄します。壊死組織が付着する場合は軽く擦りながら洗うとよいです。消毒液は原則使用しないことが多いです。②について、壊死組織が厚く付着する場合は、道具を用いて取り除く処置が必要になります。また③については、初めは壊死組織を乾かしたり溶かしたりする薬を、良くなってきたらきずの肉を盛り上げる薬をというようにきずの状況に応じて適切な薬に変更していきます。