からだの発疹
熱やのどの痛み、咳・鼻水などと一緒に現れたからだの発疹は、いろいろなウイルスや細菌などの感染症によるものかもしれません。
★突発性発疹症
HHV(ヒトヘルペスウイルス)-6、HHV-7というウイルスの感染によって起こります。生後6ヶ月から1歳頃、生まれて初めて高熱がでたけれど、咳も鼻水もあまりひどくないときは突発性発疹症かもしれません。高熱のわりに元気はあることが多いですが、ときに熱性けいれんを起こすことがあり要注意です。熱は3日くらい続き、熱が下がった後に全身に細かい発疹がでます。発疹がでてからのほうが機嫌が悪くなることが多いようです。
★溶連菌感染症
発熱、咽頭痛が主な訴えですが、全身に発疹がでることもあります。溶連菌迅速検査で診断します。抗生物質の内服でよくなりますが、処方されたお薬は症状がよくなっても必ず全部飲みきらないと再発することがあります。
★水痘
水痘ワクチンが定期接種になってからだいぶ流行をみなくなりました。全身に水疱状の発疹ができて、37~38℃くらいの発熱を伴うことがあります。免疫のないお子さんがかかると、最初は下腹部に数個程度の水疱があっという間に全身に広がります。抗ウイルス薬や塗り薬で治療します。感染力が非常に強く、兄弟がかかったときには、免疫をもっていない兄弟にもほぼうつったと思ってよいでしょう。潜伏期は2~3週間程度ですが、感染して72時間以内であれば予防措置で発症を予防したり軽くしたりできる可能性があります。
★麻疹
MRワクチンの普及でほとんどみることはなくなりました。最初は熱、咳、鼻水といった上気道症状ではじまりますが、3日くらいして全身に不定形の発疹がでてきます。発疹がでる前に、口のなかに特徴的な発疹(コプリック斑)ができて診断がつくことがあります。肺炎や脳炎を起こすこともあり、場合によっては入院が必要になります。
★風疹
MRワクチンの普及で、こちらもかなり少なくなりました。37度程度の微熱に加え、全身に細かい発疹がでて、頚のリンパ節が腫れてきます。妊婦さんが妊娠初期に感染すると、胎児に先天性風疹症候群(心臓の奇形、白内障、難聴、小頭症など)が起こることがあります。
★マイコプラズマ感染症
熱、しつこい咳が中心の感染症ですが、全身に発疹ができることもあります。迅速検査キットや、血液検査で診断します。マクロライド系の抗生物質で治療しますが、最近はマクロライド耐性のマイコプラズマが増えており注意が必要です。